衛生監視員はじめました

食品衛生の話と、衛生監視の公務員試験のことについて書きます。

専門問題を解いてみよう 10

食品衛生監視員 専門試験(記述式)

微生物学

Ⅰ. 細菌が利用するエネルギーに関する次の記述のA~Eに当てはまる語句を語群から選び出し、それぞれの記号を記せ。

「細菌は、炭素源としてグルコースなどを取り込み、これを解糖系により分解して、[A]を生成し、さらに乳酸、酢酸、ギ酸、炭酸ガス、アセトイン、エタノールなどを産生し、エネルギー物質である[B]を得る。この有機物どうしの酸化還元による[B]生成の代謝系は酸素を必要とせず、特に[C]と呼ばれる。一方、[A]は[D]回路などを経て、炭酸ガスと水に変換され、ここでも多くの[B]が合成される。この有機物の酸化と無機物の還元による[B]生成の代謝系は、主として好気的条件下で働き、細菌学では[E]と呼ばれる。」

<語群>
①酸素 ②二酸化炭素 ③コハク酸 ④ピルビン酸 ⑤オキザロ酢酸
⑥グリコーゲン ⑦発酵 ⑧呼吸 ⑨ATP ⑩TCA ⑪CoA

 

Ⅱ. 以下の問いに答えよ。

(1)次の有害微生物に関する記述ア~オに合致する微生物の名称をそれぞれ記せ。

ア 大腸粘膜上皮細胞に定着して増殖し、腸粘膜の水分吸収阻害による下痢や、腸内で産生された志賀毒素による種々の細胞障害を起こす。

イ グラム陰性、通性嫌気性の桿菌で、通常1本の鞭毛をもつ。好塩性で至適食塩濃度は2~3%である。本微生物による食中毒は、海産魚介類の生食が原因となることが多く、経口摂取後、3~40時間の潜伏期の後、上腹部痛、悪寒、嘔吐、37~38℃の発熱、水溶性下痢の症状を起こす。

ウ 自然界に広く分布し、家畜や家きんに重篤な下痢、敗血症を引き起こすものもある。本微生物による食中毒の主な原因食品は、食肉、食鳥肉、卵などの畜産食品であり、経口摂取後、6~48時間の潜伏期の後、下痢、腹痛、発熱の症状を起こす。

エ 健康人の30~40%が保菌しており、その他各種動物の体表・腸管内にも常在している。牛の乳房炎の代表的な起因菌である。我が国での本微生物による食中毒は、にぎりめしなどの穀類加工品や複合調理加工品が多い。2000年には低脂肪乳などによる大規模な食中毒が発生している。

オ 主に動物の腸内や環境中に生息している。本微生物による食中毒における潜伏期は、他の微生物による食中毒の潜伏期より長く、通常2~5日、場合によっては10日に及ぶ。市販鶏肉の50%以上は本微生物によって汚染されているとされており、生又は加熱不十分な食肉の喫食による食中毒も少なくない。

 

 

<解答>

Ⅰ. A ④  B ⑨  C ⑦  D ⑩  E ⑧

Ⅱ.
(1)ア 腸管出血性大腸菌  イ 腸炎ビブリオ  ウ サルモネラ属菌
    エ 黄色ブドウ球菌   オ カンピロバクター

 

有害微生物の名称は、潜伏時間や原因食品から判断することができます。また、Ⅱ.(1)イの腸炎ビブリオのように、好塩菌であるといった特徴的な細菌である場合、そこから推測することも容易だと思います。
食中毒原因菌については、いくつか当ブログでも紹介しております。ぜひ参考にして下さい。



専門科目の対策におすすめの参考書は、こちらからどうぞ。