衛生監視員はじめました

食品衛生の話と、衛生監視の公務員試験のことについて書きます。

加熱しても防げない! ヒスタミン食中毒

魚を食べて顔が赤くなったり、じんましんが出たりしたことはありませんか?
食物アレルギーでない場合、ヒスタミンによる食中毒の可能性があります。

 

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ヒスタミンは、毛細血管拡張、平滑筋収縮、胃酸分泌等の薬理作用を有する化学物質です。生体中の、特に肥満細胞と好塩基球の顆粒に多く蓄積されています。肥満細胞や好塩基球にアレルゲンによる刺激が与えられると、ヒスタミンが放出され、アレルギー反応を引き起こします。
食品中のヒスタミンは、遊離のヒスチジンからMorganella morganii等のヒスチジン脱炭酸酵素を有する細菌により産生されます。ヒスタミンによる食中毒は、こうして出来たヒスタミンを多く含む食品を摂取することにより、発症します。ヒスタミンによる食中毒の発症は、ヒスタミンの100mg以上の摂取により起こると考えられています。個人差や摂食量の違い、カダベリン等類似の不揮発性腐敗アミンが存在した場合、作用が増強されると言われています。
ヒスタミンによる食中毒は、家庭での事例は少なく、飲食店、仕出し弁当店、集団給食施設などで多く発生しています。

 

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ヒスタミン食中毒の症状

ヒスタミンを含む食品を食べた直後から1時間以内に、顔面(特に口の周りや耳たぶ)の紅潮、舌や口唇へのピリピリとした刺激、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、頭痛、発疹などを呈します。気管支炎や血圧降下を起こし、重症になる場合もあります。
死亡例は報告されていません。症状は、6~10時間程度で回復することがほとんどで、長くても一日で回復します。抗ヒスタミン剤の投与で、速やかに回復します。

 

 

ヒスタミン食中毒の主な原因食品

ヒスタミン食中毒の主な原因食品は、魚介類もしくは魚介類加工品です。ヒスチジンヒスタミンに変換される物質)を多く含む、マグロ、カツオ、イワシ、ブリ、サバなどの赤身魚が原因となることが多いです。
海外では、鶏肉、ハム、チェダーチーズが原因となったこともあります。

 

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ヒスタミン食中毒の発生件数について

ヒスタミン食中毒は、全国で発生しています。平成28年の全国におけるヒスタミン食中毒の発生件数は15件、患者数は283人でした。 

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アレルギーがあるとヒスタミン食中毒になりやすいって本当?

ヒスタミン食中毒は、アレルギーと同じような症状が出ますが、食品中に出来たヒスタミンを食べることが原因で起きるため、体質に関係なく発症します。誰でも起こる可能性があります。

 

ヒスタミン食中毒の予防方法

  • 魚を購入した際は、常温に放置せず、速やかに冷蔵庫で保管するようにしましょう。 赤身魚の干物など、加工品も低温保存してください。
  • ヒスタミン産生菌は、魚のエラや内臓に多く存在します。魚のエラや内臓は、購入後できるだけ早く除去しましょう。
  • 冷蔵でもヒスタミンが増えることがあります。長期間保存する場合は冷凍してください。
  • 冷凍した魚を解凍する時は、冷蔵庫内で解凍してください。また、冷凍、解凍の繰り返しは避けてください。
  • 鮮度が低下した恐れのある魚は食べないようにしましょう。調理時に加熱しても、ヒスタミンは分解されません。
  • ヒスタミンを高濃度に含む食品を口に入れたときに、くちびるや舌先にピリピリとした刺激を感じることがあります。違和感を感じたら、食べずに処分してください。